馬の味 |
返信 |
夕飯後、BSの番組を何となく見てたら、知らないおじさんの旅番組が始まっていた。
東北の桜肉料理屋さんで、生のレバーやら動脈の煮付けやら珍しい料理に舌鼓。
おじさんは終始帽子をかぶっていた。ハゲているに違いない。オシャレ隠し、一本!
お肉は不思議だ。部位によって味が変わる。心臓の味と肝臓の味と膵臓の味が違う。
みんな違う。同じ馬の体なのに、赤い色なのに味が違う。自然の神秘やね。
そんなことを考えながら、足を上げて微妙に腹筋なんか鍛えたりしていると、
風呂上がりばあちゃんがツータカッスタコラ歩いてきた。そして何か思い出したように語り出した。
「ばあちゃんの時代はみんな馬肉食べてたんよ。戦時中はそうなんよ。」
そう、ばあちゃんは馬肉を食べてた。私は食べたことないのに。ばあちゃんは続けた。
「食料がなくなったら、男の人たちが馬を山に連れてって潰すんよ。山で馬潰すんよ。」
ばあちゃんは笑顔で『潰す』と言った。ばあちゃんが潰す。潰す。潰す。86歳ばあちゃん。
投稿者 rau9xi | 返信 (1) | トラックバック (0)